DVDボックスがたったの10円!?急増中の買い取り詐欺に注意!

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買い取り詐欺に注意!

 

いつの間にか増えてしまうマンガやDVD、古本屋などを利用して処分している方も多いでしょう。

 

売るとなったら査定は適正にやって欲しいもの。
できたら他より高く買い取ってもらいたいのが人情です。

 

ところが最近、不当に安く査定をした上に、返品にも応じないという悪質な業者の相談を何件か受けました。

 

今日は、この詐欺が一体どんな手法なのか、また万が一騙された時にはどうしたらよいかをご紹介します。

 

 

1 どんな詐欺なのか

 

買い取り詐欺はどんな詐欺か?

 

Aさんは、ネットで見つけた買い取り屋にマンガやDVDを郵送で送り、査定を依頼しました。

 

数日後、担当から電話があり3万円で買い取る旨の連絡があったので、Aさんは売却を依頼しました。

 

翌日、口座へと3万円が入金されたことからAさんはこの業者を心底信用してしまいました。

 

しばらくしてこの業者から電話がありました。

 

「他に買い取りを希望するものがあったら送ってくれませんか。その際、買取フォームの『査定結果の報告不要(買い取り価格7%アップ)』欄にチェックを入れて頂くとお得ですよ。ここにチェックを入れて頂いても念のため電話かメールで査定結果をお伝えしますから。」

 

Aさんは業者を信用していたので、「報告不要」欄にチェックを入れた上で、自宅にあった大量のマンガやDVDをまとめて送りました。

 

DVDの状態はかなり良かった上、限定版も多かったことから買い取り価格をざっと計算すると8万円ほどになると思われました。
そこから7%アップすれば85600円です。

 

ところが、査定結果の報告はなく、1週間ほどしてAさんの口座へ業者から45円が振り込まれました。
何かの間違いだろうと業者に問い合わせたところ、

 

「商品は45円で買い取りました。売買契約が成立したので返却はできません。」

 

と一方的に告げられたのです。

 

この時になってAさんはようやく騙されたと気付いたのですが、何度苦情を言っても商品は返ってきませんでした。

 

 

2 Aさんにも落ち度はあるが、業者が悪い!

 

チェックをした本人にも落ち度?

 

確かにAさんは、「報告不要」欄に自分でチェックをしています。

 

Aさんにも落ち度はあるじゃないかと思われるのですが、ここへチェックするよう仕向けたのは業者です。

 

1度取引がうまくいって安心したリピーターの心理につけ込んでいるのですから、非常に悪質です。

 

それに、こういった業者は泣き寝入りが多いことを見越して詐欺を行っています。
何件か相談を受けましたが被害額は全て10万円以下でした。
弁護士に依頼したら間違いなく費用倒れです。

 

というわけで、こんな悪質な業者は絶対許せないという方は、次のような方法で戦ってみてください。

 

うまくいく保障はできませんが、私の経験上、この手の「弁護士に頼んだら費用倒れになるのを狙う系の詐欺」というのはきっちり戦うとお金を返してくれることが多いです。

 

業者からすると、真剣に争ってくる顧客は少数です。

 

要するに、うるさい顧客にはおとなしく返金して、泣き寝入りした顧客から収益を上げるというビジネスモデルで商売をしているわけです。

 

 

3 具体的なにどうやって戦ったらよいか

 

(1) 警察、公安委員会、消費者センターに相談する

 

買い取り詐欺を警察に相談

 

ひとまず警察消費者センターに相談してください。

 

警察は民事不介入と言ってくることが多いですが、複数の方からの相談実績を作っておくことが大切です。

 

また、古物商の許可をしている公安委員会にも相談しておきましょう。
ただし、この組織は盗品売買の防止を主眼に動いているので、「相談したけれど反応がいまいちだった」という話も聞きます。

 

 

(2) 内容証明郵便を送る

 

買い取り詐欺業者との戦い方

 

そんなの無理じゃんよ!と思わないでください。
ここで諦めたら典型的な泣き寝入りパターンとなって業者の思う壺です。
確かにハードルは高いですが弁護士に頼むと内容証明郵便だけで3万円くらいかかります。

 

ひとまず末尾に内容証明郵便のサンプル書式を載せておきました。
事件というのは1つずつ違うのでこれをそのまま使えばうまくいくというものではありませんが、参考にはなるはずです。

 

ちなみにどんなことが書いてあるかというと、

 

 

  1. DVDを売るという契約は成立していません、
  2. 仮に契約が成立していたとしても錯誤で無効です、
  3. 仮に契約が有効だとしても消費者契約法に基づいて取り消します、

 

 

といった感じです。

 

こういう風に書くと、「仮に」というのは変だとか、無効と取り消しを同時に主張するのはおかしいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、言いたいことはまとめて言っておかないと何度も郵便を送ることになるので、実務ではこういった書き方をするのが普通です。

 

 

(3) これでダメなら裁判だ!!

 

買い取り詐欺業者との裁判

 

ここへ来るまでに95%、いや98%の方が泣き寝入っているでしょう。

 

しかしあなただけは諦めてはいけません。

 

1人でも多くの方が立ち上がることで業者が営業を諦め、今後の被害を防ぐことができるのです。

 

裁判の費用として必要なのは、数千円の印紙代と数千円の切手代、あとは相手の業者が法人なら登記取得代(法務局で取れます)。

 

書類は簡易裁判所で配っている記入式の書式を使えば思ったより楽に完成します(検索すれば色々見つかりますが、例えば千葉地裁が出しているものとして、ここの、「訴状冒頭」と「請求の趣旨・紛争の要点」という書式を使います)。

 

裁判となるとこれまで以上に不安になるかもしれませんが、ここでポイントとなるのは「判決をもらおうとしない」ことです。

 

訴訟というのは半分くらいが判決にならず、和解で終わります。

 

裁判官から「話し合いの余地はありますか」と聞かれたら、「判決としないで和解で解決する余地はありますか」という意味です。

 

また、簡易裁判所では「司法委員」という人が裁判に協力してくれます。

 

実際に裁判所で話をすれば、解決がぐっと近づくでしょう。

 

 

4 最後に

 

というわけで、一度巻き込まれてしまうと対処するのが非常に面倒なこの問題。

 

信頼できると考えていた会社が豹変することも少なくありません。

 

「買い取り価格を報告しない」といった項目にはチェックを入れないほうが無難かもしれません。

 

 

※ 「報告不要」欄がある業者が全て詐欺というわけではありません。
誠実な対応をしている業者がほとんどですが、中にはこういった悪質な業者が紛れていることがありますという話です。

 

 

(参考書面)

 

参考書面を使うときの注意点

 

※ 内容にはある程度の汎用性を持たせていますが、事件の内容はそれぞれ異なるので適宜内容を変更してください。
また、この書式をもとに内容証明郵便を送った場合に事件の解決を約束するものではなく、結果に対しては責任を負いません。

 

 

●●株式会社
代表取締役●中▲夫 殿
平成●年9月25日

 

冠省

 

私は、貴社に対し、平成●年9月2日ころ査定を依頼した各商品の速やかなる返還を求めます。

 

貴社の担当者は私に対し、「商品を45円で買い取る旨の売買契約が成立したので商品は返せない。査定結果の報告不要という欄にチェックを入れたのだから文句はないはずだ」などと述べています。

 

しかし、以下の理由からこの主張は失当です。

 

第1に、私は、貴社に対して当該商品を45円で売却することを了承していません。

 

したがって、未だ売買契約は成立していませんから、これらの商品を速やかに私に返却してください。

 

第2に、百歩譲って売買契約が成立していたとしても、この契約は錯誤(民法95条)により無効です。

 

査定書では、「THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!! 2014 PERFECT BOX!」の買取価格を10円としています。
しかし、この商品の中古販売価格は、47、500円ほどです(平成●年9月15日のAmazonの販売価格を参照しました)。

 

また、他社からは、この商品の買取価格は最低でも18、000円、状態が良ければ25、000円ほどになると聞いています。

 

私が査定を依頼した商品は、傷もなく付属品に欠品もないことから、買取価格が少なくとも2万円を超えることは明らかです。
私はもちろん、一般の方においても、2万円ほどで売却できる商品を10円で売却するわけがありません。

 

このように、この商品を少なくとも2万円で売却したいと考えていた私が10円で売却すると意思表示をしたとなると、私の内心と意思表示の間に重大な食い違いがあることになりますから、仮に売買契約が成立していたとしてもその契約は無効です。
なお、この点は他の商品についても同様です。

 

第3に、査定にあたり、貴社の担当者は「チェックを入れても結果は伝える」と述べていましたが、実際は何ら連絡がありませんでした。

 

したがって、事業者が消費者契約の締結の勧誘をするに際し、重要事項について事実を異なることを告げたということができますから、売買契約を消費者契約法4条1項1号に基づいて売買契約を取り消します。

 

以上の通り、売買契約は成立しておらず、また仮に成立していたとしても錯誤で無効といえ、また取り消されましたので、この通知をご覧頂きましたら5日以内必着・送料貴社持ちで、私まで末尾の商品目録に記載した各商品を返送してください。

 

なお、万が一商品を既に販売してしまい返却ができないときは、適正な査定価格にもとづいて計算した金額を直ちにお支払いください。

 

草  々

 

(商品目録)
THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!! 2014 PERFECT BOX! 1点
●●●●●●●●● 1点
●●●●●●●●● 1点
●●●●●●●●● 1点
●●●●●●●●● 1点

 

住所  東京都●●区●●町1-1-1
氏名  ●山●助
電話番号 ●●●●●●●●●

 

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