【弁護士が教えるシリーズ】 交通事故の初動をまとめてみた

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一時期に比べて交通事故は減ったと言われていますが、それでも毎日のように事故の報道がなされています。

 

今回は、事故を起こしてしまったり、被害者となってしまった時にどうしたらいいかをまとめておきました。
スマホでご覧の方はブックマークでもしておいてください。

 

交通事故にあったときのまとめ

 

 

1 絶対に警察を呼ぶ

 

もう言われ尽くされていることかもしれませんが、意外とこれができません。

 

なぜか、ということで以前取り扱った事例をご紹介しながら考えてみましょう。

 

 

(事例1)

 

かなりの低速で細い路地を運転中に突然老人が車にぶつかってきた。

 

老人はよろけた程度で転倒はせず、「何ともありません。すいませんでした。」と述べた。
約束があったため多少急いでおり、また確かに怪我はなさそうだったため、警察には通報しなかった。

 

 

(事例2)

 

運転中に横から突然追突された。

 

相手の運転手から、「この事故の過失割合は50:50だが、警察に言わないでいてくれたら修理費用を全額出す」と言われた。
怪我もなかったので警察には通報しなかった。

 

 

あなたならこのような場合に警察に通報するでしょうか。
これくらいなら通報しないでいいかとお考えになった方、アウト!です。

 

 

事例1について

 

結論としては「ひき逃げ」になりました。

 

え?何で??と思うかもしれませんが、老人の家族が警察に通報し、「ぶつかったのに車が逃げた」と伝えたのです。

 

こういうときは本人を差し置いて家族が騒ぐことが結構あります。
警察に通報していれば、このようなことにはならなかったでしょう。

 

後から「何もなかった」ことを証明するのは非常に難しいです。
何もないときほど、また自分が悪そうな時ほど警察に通報して下さい。

 

 

事例2について

 

後になって相手が修理費用の支払いを拒否し、回収までにかなりの手間がかかりました。

 

警察に通報していればその場でどういった事故だったかの記録を取ってもらうことができますし、「交通事故証明」というものも出るので、事故があった事自体の証拠は残ります。

 

ところが警察を呼んでいないと、「そもそもそんな事故なかった」だとか、「悪いのはあなただ」などと言われてしまって非常に面倒なことになります。
相手から甘い誘いがあっても必ず警察に通報して下さい。

 

 

2 事実関係を確認した書面を作る

 

よく「損害は全額払います」的なメモをその場で作成する方がいらっしゃいます。
これはあまり意味がないことがあります。

 

こういうメモを作っても裁判になれば「お互いに悪かった」みたいな感じで争ってくる人はたくさんいます。
それに、判決で命じられた金額を払えば「損害を全額」払ったことになるので、別に約束違反ではありません。

 

というわけで、あとから揉めないために「事実」をきちんと確認する内容の書面を作っておくことが大切です。

 

 

× 全責任は私にあります
○ 私が携帯電話を見ながら運転していたのでぶつかってしまいました。全責任は私にあります。
○ 私の信号は赤でした。分かっていましたが急いでいたので交差点に侵入してしまいました。
○ 私からは被害者の車はよく見えていました。ところが横から出てきた自転車に気を取られて、追突してしまったのです。
○ 交差点に先に侵入していたのは相手の車でした。

 

 

等々。

 

裁判になると、「携帯は使っていなかった」だの、「信号は赤ではなく黄色でした」だのと色々と言ってくることがあるため、争う余地がないようきちっと事実関係を確認しておいて下さい。

 

確認した事実関係については、警察の調書に書いてもらうだけではなく、可能であれば相手方自身にメモか何かに書いてもらうことが大切です。

 

 

3 あらゆる角度から写真を撮っておく

 

撮り過ぎ、ということはないので、車のまわりをぐるぐると回って写真を撮っておいて下さい。

 

それと意外と忘れがちなのが、「相手の車の中」も撮っておくことです。
たまに「車の中にあった貴重品が壊れた」とかいって過剰な請求をしてくる方がいるからです。

 

 

4 必ず病院に行く!

 

人身事故になるかならないかでは、慰謝料の額がかなり違ってきます。

 

それに、数日経ってから痛くなるというのもよく聞く話です。
そんな時、すぐに病院に行っていないと本当に事故が原因の怪我か分からなくなってしまうこともあります。

 

面倒でもすぐに病院へ行きましょう。

 

 

5 逮捕されないために頑張る

 

これは主に事故の加害者にいえることです。

 

フリーアナウンサーのチノパンこと千野志麻さんが人身事故を起こしたとき、逮捕はされませんでした。
逮捕には、逮捕の理由と必要性が必要です。

 

そこで、警察の捜査に誠実に対応し、逃げたり証拠隠滅をしないということが伝われば逮捕するまでもないと判断されることもあります。
ただ、飲酒していたり、ちょっとでも現場を離れようとしたりすると逮捕される可能性が高まってしまいます。

 

また、「誠実に対応」とは述べましたが、もちろん黙秘権もあるので話したくないことを無理に話す必要はありません。

 

それから、相手が飛び出してきたなどこちらに有利な事情については堂々と主張しましょう。

 

以上、事故直後に注意すべき点をまとめておきました。
この知識が役に立たないことを祈ります。

 

連絡先の交換と免許証の写真撮影をお忘れなく!

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